真理の探究~昨年買って読んだ書籍から

すっかりサボっていた『年代記』ですが久々の投稿です。

今回は何を取り上げるかというと 読書感想文(というほどでもないけれど)。
昨年買った本の中で一番面白かったのが

島泰三『ヒト 異端のサルの1億年』(中公新書)(アマゾンのサイトにリンクしています)

この本の9章に以下のような記述があります。

「穀物はもともと類人猿の食物リストにはない。熟しても実の落ちない小麦の品種を約一万年前に発見したホモ・サピエンスが、それを選択して栽培するようになって初めて食物リストに加えられた。」

「現代人の脳容積はネアンデルタール人や同時代のホモ・サピエンスに比べて約1割(150CC)減少している。農耕・牧畜による栄養不足のせいではないか。」

「穀物は脳で直接使える脂肪を含んでいない。」

「農耕以来ホモ・サピエンスは栽培植物と飼育動物の知識を第一とし、それ以外の周囲の生命をすべて害虫獣と雑草として区別した。有用かどうかを基準にする世界観は、人の評価に拡大され、人を有か無用かで分別するようになった。」

「魂をやせ細らせた現代人は富の蓄積と分配の不公平、富の防衛のための戦争と憎悪の拡大が毎日の仕事になった。」

「人類が魂をやせ細らせたのは農耕・牧畜による心に映る環境世界の単純化と穀物食による脳障害のためだったのかもしれない。」

「日本列島住民は近代後期に至るまでコメを主食とすることがなかったので(中略)現代人の中では例外的にホモ・サピエンス最大時の脳容積(1500CC)を維持しているのだろう。」

人類の歴史(類人猿も含めて)をこのように俯瞰すると人間は何を食べるべきかがわかるでしょう。

著者の島さんは「はじめに」の中で
「万物の霊長がヒトであり、世界に冠たる神州清潔の民が日本人であるという予断をことごとく捨て去って、一種の大型のサルとしてのヒトを、また日本人を観察すると、何が見えるのか?もともと、他人の説は無論のこと、大家の学説に無関心であり、信用のしない性格である。誰もが一致して認める定説などに興味がなく、ひたすらヒトに至るサルたちの階梯を、自分が納得できる形で理解することに集中してきた。(中略)ここで描かれた類人猿やヒトに先行する人類の姿は、世の常識とはかけ離れたものかもしれない。ヒトの姿は、あるいは不愉快に感じられるかもしれない。しかし、予断を排して事実を積み上げる方法以外を、私は採用しなかった。どんなに受けいれがたくても、彼らの姿には裏付けがある。」
と書かれています。

これこそが学問における基本中の基本であり、それゆえに、島さんの書かれていることは 事実を超えた真理であるといえるのです。
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by omasico | 2017-01-09 16:27 | 四季折々  

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